その後、零度を下回る夜も何回かありストーブを持ち込むなどをして暖
をとり育苗床の苗は今のところ順調な育ちを見せている。
2009年4月29日
早朝、長兄が死んだ。
姪からの知らせであった享年80歳、長年の闘病生活の末のことであった。
200年5月3日
早朝4時、ハウスの気温は3度、さむい、これが日中はハウス内の気温 は30度を超える。ビニールを少し
開け長兄の葬儀のため実家に向う。
5時間の道のりだ兄との思い出が脳裏をかすめる。
葬儀も無事に終え妻や子の居住で一休みして帰路に着く。ゴールデンウ イークで休み中とあって次女も一緒
だ。
帰宅、11時を少し回っていた、いそいでハウスへかなり冷え込んでは いたが苗は無事だった。よかった。
部屋に戻り一息ついたところで思いは兄に・・・
6人兄弟の末っ子として農家に生まれた私は両親(とくに母親)の愛情 を一身に受け何不住なく育てられ
た。
私がまだ小学生のころに兄はもう一家の働き頭であった。
そのころではまだ珍しいトマト栽培を手がけていた、庭先にレンガで造 った苗床があり発酵熱を利用して育
苗していた。
作り方はこうだ。ワラを細かく切り苗床に敷き詰めるその上に下肥(人糞 )をかけ土を重ねるそれを数回繰
り返し一番上に厚めの培土を轢き詰め播種する、そうすることによりワラが発酵し発熱した温度で育苗す
る。
すごい!兄のそんな努力の陰で私は育てられたのだろう。兄ちゃん有難 う・・・さようなら・・・その晩は
涙があふれて止まらなかった。
続く