改札口の向こうから手をふりながら我が娘たちがやってきた。
さっそく娘たちの荷物をボロ車に積み込んで小屋に向かって出発。小屋
までは一山越えて40分くらいかかる、まったく不便な所に来たものだ。
今では路線バスも廃止され陸の孤島と化している。だが、私はこの不便
さがたまらなく好きなのだ。
娘たちの希望でトマトハウスに直行。
ハウスの大きさに驚いたのかトマトの木の多さに驚いたのかすごいネの
連発だった。
その晩は娘たちと三人で安ワインに酔いしれた・・・
翌日、10キロぐらい先にある知り合いの営む喫茶店に・・・
こんな田舎だって喫茶店ぐらいあるのだ。イングリッシュガーデンの有
るステキな喫茶店なのです。私の小屋もゆくゆくはガーデニングとかも
考えてはいるのだが先立つものが・・・
ひさしぶりに美味しいコーヒーを味わった、娘たちは外でくつろいでい
る、そんなおり、中年の美しい女性がドアーに付いているベルの美しい
音色を響かせながら入ってきた、私の顔を見るなりお久さしぶす・・・
私はキョトン・・・すかさずマスターがこの先の居酒屋のママさんです
こんな田舎でも居酒屋ぐらいあるんです。
思い出した、昔、小屋にくるたびに通い続けた居酒屋のママさんでた。
また通いたい、でも先立つものが・・・
小屋に戻り昼食は得意のトマトパスタを娘たちにふるまった。美味しか
った。
そんなこんなで午後の三時、娘たちは帰り支度を始めた。
早い、早すぎる時間のたつのが・・・
そして、又くるから、の言葉をのこしてホームから消えていった娘た
ち・・・
私一人をのこして・・・